
 | “歌声そのもの”の美しさと珠玉の楽曲群
「歌声そのものが極めて美しい」という点で、ルクプルは予め強力な魅力を持っていたと言える。藤田恵美は日本のポピュラー界でも間違いなく5指に入る肉声の美しさを持ったシンガーと言って良い。決して声量がある、あるいは声帯が太いタイプのシンガーではないが、彼女のヴォーカルは非常に魅力的で美しい。またその美声で綴るルクプルの楽曲は、例えばユーミンのような鋭い感性に裏打ちされた歌詞でもなければ矢野顕子のような天才的なメロディーやアレンジがなされているわけではなく、例えば「ありがとう」とか「ごめんなさい」といった ごく庶民的な視点で発せられる感情を素直に綴ったものが多い。突飛な楽曲はなく血が騒ぐような楽曲もない。しかしそれこそがルクプルの魅力だった。J-POPの若手シンガーのように根拠もないメッセージを懸命に歌うわけでもなく、ビートやビジュアルで魅せるわけでもない。しかし、だからこそルクプルの音楽には「聴く人を癒す」という魅力が満載だった。このアルバムはルクプル10年の活動で発表したシングル曲をまとめたベスト盤だが、何とも心落ち着く珠玉の楽曲が並んでいる。藤田恵美の美しい歌声とルクプル独特の素直な曲調に、何度聴いても心が癒される。「ひだまりの詩」「縁は異なもの」といったヒット曲の他にも魅力的で素晴しい楽曲が何と多いことか。解散は残念であったが、この元・夫婦の2人には末永く活動してもらいたいものだ。名曲「Song Of Love」は必聴の一曲。こういうのを本当の“Love Song”と言うのだよ。
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